ふわふわと微温湯の内を揺蕩っていた。不意に半身が軽くなり、周囲の景色がそこに開いた空洞に吸い込まれ遠ざかる気持
ちがして、開いてしまいそうになる目蓋に力を込めた。きつく閉じられたその端から、一筋の輝きが零れ落ちる。
「…サニー?悪い夢でも見たのか?」
小さな深い声と共に、ゆっくりと髪を梳かれる。その温かく大きな手の心地好さに、これが夢の続きであればと、ヒル魔は
柄にも無く切に願った。
「…逆だ。」
「……?」
「………目を覚ましたら、糞デケェベッドの上にテメーが居て、朝っぱらから糞甘臭ぇキスを寄越して、『グッモーニン
サニー、今日は俺の番だな』っつって朝飯作り始めて…」
「それから?」
「俺は寒ぃっつってまたベッドに潜って、したらガキ共がぎゃあぎゃあベッドに乗ってきやがって」
「子供?」
「あぁ、二人揃って俺の上に飛び乗って、『起きろよヨーイチ!今日は俺のバースデーパーティだぞ!ポーカーやってくれ
るって言ったじゃねぇか!』とか何とか喚きやがってうるせーのなんの。」
「それで?」
「俺は『うるせー!』っつってガトリング取ろうとすっけど、奴ら見越したみてぇに腕抑え込んできやがって、『ヨーイチ
!今カメラ回してるからな!言うこときかないとヨーイチの寝起き映像ネットに流すぞ!』って脅すんだよ、チビの癖に、一
丁前に。」
「ハハ、親も親なら子も子だな。」
「あぁ…糞ウゼェけど、テメーに、そっくりで…」
「…俺とテメーの子か?」
「…………………………ガキなんて、作れるわけねーのにな。」
「……。」
「…テメーが、勝手なことばっかすっからだ…!」
「……そーだな、責任とらねーとな。」
喉の奥から灼熱のナイフが迫り上がって来る感覚がして、ヒル魔はベッドの中、抱えた膝に顔を埋めた。
暗闇の中、震えるヒル魔の身体を見つめる碧い瞳が、煌きを湛え、そしてゆっくりと閉じられた。真綿で首を絞められるよ
うな、甘い痛みがヒル魔に触れた指先から体中に流れ込んでくる。その甘い痛みごと、クリフォードはヒル魔を胸に抱きこん
だ。
いつか夢から醒めても、そこが楽園であるようにと―――
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ヒル魔さんそれ予知夢!(笑)
甘切ない系を目指して玉砕。PDAの二人です。
このシリーズのヒル魔さんは妊娠できません。(いや普通なんですけどね…)
なのでこの二人は将来養子を迎えて最強ルイスファミリーを結成します。
妊娠できるヒル魔さんはまた別の機会に♪
二代目拍手お礼文でした!後編に続きます。