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2011.2.28 uploaded
雪が降っている。
寒くて、冷たくて、凍えそうだった。

あの手をとったとき、その手を放す瞬間を想った。
終わりを思い描かなければ、始めることができなかった。

自分から振り切った掌が冷たくて、ほんの僅かに残る感触を確かめるように、しっかりと握りしめる。
包み込むぬくもりまでよみがえりそうで、指先が震えるのを止められなかった。


********************


「おい、ヨウイチ」
「センセーだろーが、糞ガキ」
「もうガキじゃねえよ」
低く唸るように呟いたクリフォードは、WAIOにかかりきりの蛭魔の背後に回り込み、その両肩を包むように抱きしめる。
「俺から見れば、いつまでたってもガキなんだよ・・・オラ、邪魔だ退きやがれ」
身を捩るようにして腕から逃れる蛭魔を追わずに、クリフォードは腕をゆるめると、部屋の中央に陣取っているばかでかいソファ に腰かける。
脚を組み、優雅に片肘をつく様は、王者の風格が漂っている。
今年十八を迎えたクリフォードは、初めて出会ったときとは比べ物にならないほど成長し、すでに大人の男の身体を手に入れていた。
背はさらに伸び、肩幅が広くなり、腕が逞しくなって、耳に心地よかった少年特有の声音は、腰に響くバリトンになっていた。
対する蛭魔の方は、あのときからあまり変わりがない。白い肌も、細身だが鍛えられたしなやかな身体も。ひとつ変わったところがある とするならば、それは、格段に色気が増したということだが、本人にその自覚は全くない。
相も変わらず蛭魔はそっけなかったが、それでも二人の関係は、家庭教師と教え子から恋人へと名を変えていた。
「終わったか」
WAIOから離れて伸びをする蛭魔に、クリフォードがうれしげな声を上げる。
本当はただ疲れただけで、『休憩だ、大人しくしてろ』と言うつもりだったのに、思いがけず幼い表情を浮かべたクリフォードにほだ されて、
「ああ」
と返事をしてしまった。
年下の恋人に甘い自覚は、蛭魔自身にもある。もとより、一度懐に入れた人間には甘いところのある蛭魔だ。
「こっち来いよ」
指の先をくいくいと曲げるように呼ぶクリフォードに素直に従って傍まで寄ってやれば、大きな掌が蛭魔の二の腕を捉まえて、半ば強引 に抱きよせる。
逆らわずに任せた蛭魔の身体は、すっぽりとクリフォードの腕の中におさまった。
また金に染めるようになった蛭魔の髪に鼻先を突っこんだクリフォードは、声を立てずに笑う蛭魔に、上機嫌でじゃれつく。
「犬かよ、てめえは」
「犬、好きだろ」
「俺が好きなのは賢いやつだけだ」
「なら文句ねえじゃねえか」
「ばーか」
意識せずとも、お互いに甘さを含む声が心地いい。
「なあ、この間の試合が見てえ」
思い出したように呟く蛭魔に、クリフォードが首を傾けた。
「また見るのか?」
「途中で寝ちまったんだよ、誰かさんのせいで」
「ああ、センセーが放してくれなかったからな」
にやりと男くさく笑ったクリフォードは、眉を吊り上げた蛭魔が繰り出した拳を軽々とよけて、巨大なシアターを準備してやる。
試合の映像が流れ出せば、蛭魔の機嫌も自然と直る。
大きなソファに沈み込み、子供のように熱中しだした蛭魔を横目に、クリフォードは蛭魔の肩を抱き寄せた。


行儀悪くも、部屋で夕食を済ませた二人は、キングサイズのベッドに寄りかかるようにして何をするでもなく過ごしていた。
こんな時間の過ごし方は無意味で、とても贅沢なもののように蛭魔には思える。
ふいに、クリフォードの大きな掌が蛭魔の掌を包みこんだ。
クリフォードの筋の浮いた手の甲と、分厚い掌と、節くれだっていても繊細な指先が、実は蛭魔は気に入っている。QBの武器である 手だと思うと、なおのこと愛しかった。
掌をたどるように、自分の白い指先を滑らせる蛭魔に、クリフォードが忍び笑って、きゅ、と力を込めて蛭魔の細い掌を握る。
「なあ、センセーに話がある」
「あ?」
「昨日、父親に見合いを勧められた」
握りしめた掌がびくりとはねたのを感じて、クリフォードは様子を伺いつつももう片方の手を伸ばして、頬に添えた。
「センセー、俺、」
「・・・てめえとは今日で仕舞いだな」
「・・・なに?」
決意を固めるように紡がれたクリフォードの言葉はしかし、先程とは打って変わって温度のなくなった蛭魔の言葉で遮られた。
「聞こえなかったのか、今日で、終わりだ」
言い聞かせるようにはっきりと言葉を発した蛭魔は、射抜くように真っすぐにクリフォードを見つめ、重なっていた掌を振り払った。
「何言ってんだ、テメー」
「見合いするんだろうが、ならこれで終わりだって言ってる」
「自分が何言ってるのか分ってんのかよ」
戸惑うようなクリフォードに対して、蛭魔はどこまでも冷静だ。
「分かってるも何も・・・いつか来る時が今来たってだけの話だろ」
「どういう意味だよ」
「俺とお前の関係はもともとゲームみてえなもんだった。そろそろお前も年頃だからな、あるだろうと思ってたが・・・予想より早かっ」
「ふざけんな!!」
しん、と広い部屋に、痛い沈黙が落ちる。そこには、先ほどまでの甘やかな空気などかけらもなかった。
「・・・俺とは遊びのつもりだったのか」
「・・・ああ、そうだ」
押し殺したようなクリフォードの問いかけに、吐き捨てるように蛭魔が答える。
「嘘つくな」
「嘘じゃねえ」
「嘘だろーが!!」
「嘘じゃねえっつてんだろうが!!」
互いの声が大きくなるにつれて、冷静さがなくなっていることに気づいても、落ち着くことなど到底できない。
「いい加減ガキ相手のオママゴトに疲れてたんだよ!!金もってるし、面も身体も悪かねえし、ドーブツよりはまともに言うこと聞く だろうと思ってたのに、手に負えねえぐらいわがままだしな!!はなからテメーに相手ができりゃ終りにするつもりだった・・・だから 今日で終わりだ」
「・・・・本気で言ってんのか」
「だからそうだって言ってる」
あまりの台詞に、クリフォードはただ絶句する。
呆然とするクリフォードを見つめる蛭魔の瞳は、凪いだ海のようにどこまでも静かで、そして強かった。
「俺は・・・」
しばらくただ無言で向き合っていて、先に目線を外したのはクリフォードだった。
うつむいて、ぽつりと口を開く。
「俺は、一生お前といるつもりだった・・・本気で」
静かな声に、蛭魔の肩がほんの僅かに震えたことに、視線を外したクリフォードは気付かない。
「・・・無理だ」
蛭魔が綺麗な発音で発した言葉は、静まり返った部屋でやけに響いて、クリフォードの耳に届く。
「無理に、決まってんだろ」
確かめるようにもう一度呟いた蛭魔は、荷物と上着を手早く掴んで、振り返りもせずに部屋を出ていく。
それを見送ることもできずにいたクリフォードは、蛭魔が玄関を出た音を聞いて、ようやく糸が切れた様にベッドに倒れ込んだ。
「・・・クソッタレ」
ぼそりと呟いた言葉は、虚しく響いて広い天井に吸い込まれた。


外はすっかり夜で、いつの間にか雪がちらついていた。 吐き出した息が白く立ち上って消えるのを見るともなしに見つめていた蛭魔は、震える唇で大きく息を吸い込み、そうして吐く。
頭に浮かぶのは、ひどく傷ついたクリフォードの顔だった。
遊びなんて嘘だった。傷をつけるために発した言葉のどれも嘘で、けれど、相手ができたら、と、ずっと思っていたことだけは本当 だった。
そう覚悟を決めなければ手をとるのが怖かった。
けれど、その手をとらずにはいられなかった。
とらずにいられないほど、心惹かれていた。
ずっとそばにいられたらどれほどいいだろう、と弱い心は思うけれど、明晰な頭脳は欲しいものが手に入らない辛さや、持っていた はずのものがすり抜けていく喪失感をいやというほど知っていた。
なんの根拠もなく優しい未来を想像するには、思うようにならない厳しい現実に、蛭魔は慣れすぎていた。
ほんの少し振り返り、オレンジの明かりのもれる窓を仰ぎ見る。
優しい思い出に彩られたそこは、そこにいる男の腕の中は、アメフトのフィールド以上に蛭魔の好きな場所だった。
記憶に残すように、瞬きもせずに見つめ、心に刻みつけるように瞼を閉じる。
「―――あいしてる」
結局ただの一度も伝えられなかった言葉をそっと呟いて、もう一度目を開けて、踵を返す。
あとはもう振り返りもせずに、ただ歩いた。


********************


クリフォードに会わなくなって三週間が経ったことに蛭魔が気づいたのは、何気なくあの日とりかかっていた資料を、立ち上げたパソコン の中に見つけたからだ。
急ぎの用事でもなかったそれはそのまま放置され、そしてあの日の日付のままに保存されていた。
そのまま作業を続ける気になれずに、開いたパソコンを閉じて、出かける準備をする。
クリフォードに会うことをやめてから、食事をまともに取っていなかった蛭魔は、自分の身体が変わってきていることに気づいていた。
もとより細身な体が痩せることはなかったが、毎日筋トレを欠かしていないのにも関わらず、筋肉が落ちてきている。
チームメイトにそれを指摘された時は、舌打ちをしたい気持ちになった。
今も昔も、自分の求めるのは頂点で、この上もなく大切なのはアメフトで、なのに、あの男一人、生活の中から欠けただけで、その アメフトにすら支障が出始めている。
とにかく身になるものをきちんと食えよ、と、気のいい仲間に忠告されたのはつい先日のことだった。
幸い、近所のスーパーは大型で、どんなものでも揃っている。夕方以降にでも行くつもりだったけれど、行く時間が変わったとして、 珍しく予定のない今日ならばさして問題はないと考えて、家を出た。

外は雪が降った後で、ひどく寒い。
細身のコートの上から巻いた黒のカシミヤのマフラーに顎先をうずめた蛭魔は、ふるりと身を震わせた。
とたん、『てめえがそうやってマフラーに顔うずめてんの、なんかいいな。今度白いマフラーやるからそれ使えよ』などと嬉しそうに 言ってきたクリフォードを思い出して、きゅっと形の良い眉根が寄る。

女々しい思考を振り払うように、首を振って、足を踏み出す。そうして雪の上に足跡をきざむように歩く。
近道をしようと、人気の少ない通りに入って、すぐにいつも通る道を選ばなかったことを後悔した。
先ほど思い描いていた男が、そこにいた。


クリフォードがその通りを歩いていたことは、本当に偶然だった。
しかし、ある種必然でもあった。
クリフォードは蛭魔に会いに行くつもりで、より近道になるこの通りを歩いて来たのだ。

「センセー」

掠れた声でクリフォードがつぶやくや否や、茫然と立ちすくんでいた蛭魔は、はじかれたように踵を返した。
そして、それにほとんど遅れず、クリフォードが蛭魔を追う。
ほぼ同時に走りだせば、クリフォードが蛭魔に追いつくことは当然のことで、腕を掴まれた蛭魔はしばらくもがいていたが、やがて 諦めたように大人しくなった。
「離せ」
「嫌だ」
「逃げねーから離せ」
逃げるかもしれねえだろ、と言いかけ、そうなれば自分が追えばすぐ追いつけることに思い至って、無駄なことはしない蛭魔の性格を よく分かっているクリフォードは、言われたとおりに手を放す。
蛭魔は数歩距離をとるように後ずさったが、それ以上は逃げるそぶりも見せずに立ち止まった。
「何の用だ」
「センセーに会いにきた」
「何のために」
「・・・・俺は、まだこの間のこと納得してねえ」
「理由なら言ったろうが・・・お前とは遊びだった」
どこまでもしん、と冷え切った蛭魔の声が、雪に吸い込まれるようだった。
それでも、あのときのように動揺をしていないクリフォードは、ひどく静かに言葉を返した。
「・・・嘘だろ」
とたん、それまでの静かさが嘘のようにきっ、と顔を上げた蛭魔は、クリフォードのどこまでも静かな瞳を見て、開きかけた口を閉ざす。


「俺の知ってるヨウイチヒルマはそんな奴じゃねえ」
「なにバカ言ってやがる。てめえが俺の何知ってるって言うんだよ」
「てめえはどうでもいいような人間、懐に入れるような奴じゃねえし、ましてや弱み見せる奴でもねえ」
「ほーお、俺がどんな弱み見せたって?」
「俺に抱かれたじゃねえか」
揶揄するわけでもなく、ただ淡々と言われた台詞に、蛭魔の頬がかっと赤みを帯びる。
「てめえ・・・!」
「センセー昔、家庭教師に来たの、あれ、小遣い稼ぎなんかじゃないだろ」
突然過去のことを出されて、虚をつかれた蛭魔は黙りこむ。
「俺の家の・・・親父の情報収集だったんだろ。なのに、一年間以上家庭教師続けてた・・・情報集めるのに、一年も必要な訳がねえ ・・・・・俺にほだされたんじゃないのか」
「・・・馬鹿言ってんじゃねえ」
「このあいだのあれ、俺のためだったんだろ」
「うぬぼれんな」
低く唸った蛭魔を、クリフォードはただ見つめた。
「お前の言ってた、相手ができたら別れるつもりだった、てのは本音だろ。だけど遊びだからじゃねえ・・・どうせ俺の立場とかそんな くだらないこと考えてたんだろ」
その台詞を耳にしたとたん、蛭魔の中で何かが切れた。
「くだらないわけないだろうが!!馬鹿言うのも大概にしろ!!」
「・・・やっぱりてめえ、俺のこと好きなんだろうが」
「好きだけでどうにかなる話じゃねえだろうが!!」
常になく癇癪のように叫んだ蛭魔に、クリフォードの眉が吊り上がる。
蛭魔の発言は、クリフォードの問いかけを認めたも同然だった。
好きだけど、仕方がないから諦めるのだと、言ったも同然だった。
それを理解した瞬間、クリフォードの頭にかっと血が上った。
「0コンマいくつかでも可能性があるなら、諦めないのがテメーだろうが!!なんでそんな簡単に俺のことは諦めるんだよ!!」
「諦めるとかそういうんじゃねえだろうが!!常識考えやがれ!!」
「はっ!常識?テメーがそれを言うのかよ!!」
「お前の将来は決まったも同然だろうが!!そんとき傍にいるのは俺じゃねえ!!―――――――とっとと忘れろ、んで、 さっさといい女を見つけろ」
忘れろ、と言った自分の唇が震えそうになって、蛭魔は奥歯を噛み締める。
クリフォードの父は、名高い実業家、母は名家の出身だ、たとえ今が良くても、いずれ終りがくる。
これから先、クリフォードを待つのは、人の羨む輝かしい世界だ。そしてその世界で生きていく上で必要なのは、同じ魂を、同じ男の 身体をもつ自分ではなく、全てにおいてクリフォードとつりあいのとれた、クリフォードを支えていける女だ。
「世間の決めた将来なんざ知ったことかよ!!俺が従うのは俺の決めたルールだけだ!!・・・・俺が一生傍に置くのはテメーだけだ。 他の誰にも、邪魔なんかさせねえ」
「・・・馬鹿なこと言ってんじゃ」
「テメーのプランは狂わないんだろ、ヨウイチ。だったら、俺との未来も組み込んでおけよ。お前が傍にいるなら、俺はどんなもの でもくれてやる」
―――――どこまで馬鹿なことを
どれだけ途方もないことを言っているのか分っているのだろうか。
溜息がこぼれそうで、右の掌で額を覆った。
けれど、溜息の代わりに零れ落ちたのは、涙だった。
「・・・・・っ」
最後に泣いたのは、いつだったか思い出せないほど昔だ。それほど長いこと、蛭魔は泣いていなかった。
涙を流すことは、無駄なことだと思っていた。泣き喚こうが、垂れ流そうが、事態は何一つ変わりはしない。ならば次の策を考え行動 することの方が、ずっと有益な時間の使い方だと。
なのに今、堰を切ったように溢れるものを止められない。
物心がついたころから記憶がない行為を、上手くすることができなくて、喉が引き攣って苦しい。胸のあたりに塊があって、 熱くて重くて、呼吸が上手くできない。
いつも蛭魔が見つめるのは最高の場所だった。最高の地点を見つめ、最善の策を弄し、そして、最悪の瞬間を想像する。
蛭魔の前に立つ、いつの間にか青年になってしまった男。
この男の手を取ったとき、この手を放す瞬間を想った。
そうしなければ、手を伸ばすことすらできなかった。
「・・・・・っく」
唇を噛みしめて、嗚咽をこらえて、うつむいて、クリフォードから涙を隠そうとするのに、零れ落ちる涙は簡単に頬をすべって、 マフラーに、靴に、降り積もった雪に落ちて吸い込まれていく。
涙の吸い込まれた白い地面を目で追っていると、視界にクリフォードの履くブーツが入ってきた。
それなりにあったはずの二人の間の距離を、いともたやすく縮めたクリフォードは、そのままその逞しい腕で蛭魔をかき抱く。
「欲しがれよ、ヨウイチ、俺がなんでもくれてやる」
「・・・テメーの欲しいもんは、テメーで手に入れるだよ、俺は」
「じゃあちゃんと手ぇ伸ばせ」
「・・・・・」
強気な言葉とは裏腹に震える蛭魔の、華奢な肩も指先も、愛しくてたまらない。
悪魔とまで呼ばれる蛭魔が、人の情がからむだけで、ひどく不器用に、そして臆病になることを、よく知っている。
クリフォードの好きな細い指先が、そろりと広い背中をたどってゆく。それでも弱弱しく添えられるだけの掌に焦れて、抱きつぶすほど 強く蛭魔を抱きしめる。

「・・・センセー」

低くかすれた声で、クリフォードがささやく。
声の低さも太さも、すっかり変わったのに、愛しげな、渇望するような響きがあの頃から変わらなくて、蛭魔はたまらない気持ちになる。
いつの間に、こんな声になっていたんだろう。
いつの間に、自分を包みこめるほど逞しくなっていたんだろう。
いつの間に―――――こんなに好きになっていたんだろう。
ぎゅっと閉じた瞼から、また涙が零れて、頬に触れるクリフォードの髪に吸い込まれていく。
震える指先で、しっかりとその背中にしがみつく。
離れないように、離さないように。
そうして、ようやく口を開く。
「・・・お前、が」

――――お前が欲しい。

プリーズ、と細く掠れた懇願がクリフォードの鼓膜を震わせて、凶暴なほど愛しい気持ちが溢れだす。
意外に柔らかな髪を指に絡ませて、とがった耳朶を、なめらかな頬を唇で辿りながら、何度も何度も名前を呼べば、同じように、掠れた 声が応えてくれる。
ずっと、ずっと蛭魔が欲しかった。
同じ気持ちと知った日は、眠れないほど嬉しかった。
傍にいることに怯えているのに気づいたとき、どうしようもないほど、守ってやりたいと思った。
やっと掴まえた愛しいひとを、どこにもやらないように、なににもさらわれないようにしっかりと抱きしめて、誓いのようにキスをする。

雪が降り始めたけれど、あの日のようには寒くない。
お互いの欲しかったものが、その手の中にあった。









うああああああああ!!!!!!!(号泣)
ええ話や…ええ話や…!泣ける〜!
やはりクリフォードが年下になると、ぐっと等身大の少年っぽさがでますね!
ほら、原作の年齢のクリフォヒルだと、ヒル魔さんが何を言ってもクリフォードが揚げ足取って言いくるめちゃうかなと思うんです。 別れ話の辺りで。
でも、ヒル魔さんが言ったことを真に受けちゃってショックを受けて、それでも一生懸命追いかけてくるあたり、やはり年下クリフォード ならではだなと思うのですよー!
クリフォードだけじゃなく、ヒル魔さんもむっちゃむちゃかわいいですね!この、二人揃っていっぱいいっぱいになってる感じが すごく好きです!萌えます!
話自体の構成も、すごく泣かせますよね〜!初め、中盤、終わり、とそれぞれぐっと来るポイントがあって素晴らしいっ!
ゆすらさま、感動のクリフォヒル巨編、本当に本当に、ありがとうございます!!!!
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