一握りの例外を除いて。
オリエンテーリングを終えた新入生たちはこれからの高校生活を充実したものにするため、部活や委員会の検討をしていた。 泥門は部活は2年の夏までと短くあまり学校としては力を入れておらず、部活紹介や仮入部といった制度はない。 そのため 大抵は中学と同じ部活か帰宅部になるのだが、新2年生にとって新入生確保は切実だ。
なぜなら、1・2年生のみで部員が構成されるため部員数を維持するのが難しく、新入生が入らなければ廃部になってしまう 場合もあるからだ。
3年生からの「潰したらどうなるか分かっているだろうな」というプレッシャーもある。
なので、この時期はどの部活も必死に看板やビラを持って校舎内、昇降口、校門で勧誘活動をする。 特に昇降口から校門に かけては人が集中し賑わいを見せていた。しかし、ただ一ヶ所だけまるでバリアでも張られているかのようにぽっかりと空間 の出来ている場所があった。
「ヒ、ヒヒヒヒル魔さん、やっぱりそれ止めたほうが良いんじゃないですか?」
腰を引きながら手を祈るように組み、上目遣いでセナがヒル魔を伺う。
「あ?じゃあテメーがやれ」
いや、それはちょっと。と口の中で反論する。
ヒル魔は今、校門の近くでまもりと「アメフト部Welcome」の看板を持って立っている。
それ自体は、引退している先輩たちに手伝ってもらって有難い限りなのだが、ただ一つ致命的な問題があった。
それはヒル魔の格好である。
いつも通り逆立てた金髪にシルバーのピアス、ブレザーの前ボタンは留められることなく、ワイシャツは上がいくつか空けら れ、すそが出ている。
そこまではいつも通りだが、その下にあるはずの黒のズボンが色はそのままにプリーツスカートとハイソックスに変わってい た。
その姿を見た生徒たちの脳内は「似合ってない」の一言で統一されていた。
確かに肌は陶器のように白く滑らかで、肩幅から美しい曲線を描きながらウエストでくびれを作り、再び腰から太ももにかけ て広がり、ひざ、足首にかけて細くなっていく様は黒豹のようにしなやかなラインで、それだけなら女性らしいといえる。
けれども、露出している太ももの大腿四頭筋や、ハイソックスの上からでも分かるふくらはぎの下腿三頭筋は鍛え上げられた 筋肉の筋がはっきりと出ており、脂肪の柔らかさが全くなく、 女性にはない硬さがある。
それにウエストは一般女子としても絞られているが、肩幅は隣のまもりと比べるとかなり広い。
つまり、人目で「女装」と分かるのだ。 さらに、髪型もいつものままで一目でヒル魔と分かる。
結果、2・3年生は「あのヒル魔」という先入観も加わって、新入生は先輩たちの異様な緊張感に煽られて「見てはいけない もの」として認識されるため、ヒル魔を見た生徒たちは「似合っていない」と誰に言うまでもなくお互い目と空気で確認し合 っていた。
セナはヒル魔の鋭い視線から目を逸らすも下だけは見ないようにいつもとは逆に上の方へと視線を流した。
「まぁ良いじゃない。もうちょっとで鈴音ちゃん戻ってくるから。それまで、ね。」
なぜか上機嫌のまもりが言う。
実は看板持ち兼案内役はまもりと鈴音のアメフト部の華2人がやる予定だったのだが、鈴音がチアガールのユニフォームを 忘れてしまい、他校の制服のままやるわけにもいかないので家まで取りに行き、その間まもりが案内役をすると彼女の外見上 余計な者が寄ってきて一人では案内し辛いということでヒル魔が代わりをすることになった。
それだけならヒル魔がスカートを履く必要はないのだが、勧誘のビラを配ったり看板を持っているのが女子部員が多いことか ら鈴音が「妖兄も女の子格好した方が人来るんじゃない?」と何気なく、冗談のつもりで言った一言が現状の発端となった。
その一言から、「男子部員集めるにはやっぱり女子が宣伝役になったほうがいい」「まもりが運動部の友人から借りた制服は 鈴音にはサイズが合わない」「スカートだけならヒル魔が履ける」「ライン連中に比べて体格がごつ過ぎない」「案内が上手 い」と言った理由を鈴音を始めまもりや栗田などがからかいゼロの素直な意見として述べたり、他の部員が「ただ単に見てみ たい」といった理由から大人しく黙っていたり、ヒル魔自身にそれほど女装に抵抗がなかったり、誰しもそうであるようにヒ ル魔も鈴音の頼みごとには弱かった、という多くの条件が重なったことで今に至る。
実際着替えてみると栗田やムサシ、雪光など3年生やまもり、鈴音の女性陣は素直に褒め、記念撮影をしたりとはしゃいで いたが他の部員は居たたまれない気持ちでいっぱいだった。
それはセナも同じで、先ほどから
「人寄って来るどころか人避けみたいになっちゃってるんですけど。」
の台詞が言えずにセナがおろおろしていた。
「いいからテメーはさっさとグラウンド行って来い。全国制覇、ワールドカップ出場の大注目選手アイシールド21がいねー と宣伝になんねーだろ。」
と、にやにやしながらヒル魔が言った。
楽しんでる。これ。ヒル魔さん絶対楽しんでる。
完璧主義のヒル魔が髪を下ろさないのも、わざわざスカートの履き口を折って丈を短くして太ももの筋肉を隠さないのも周り の反応を見て楽しむためだ。勧誘関係ないじゃないですか。
そう思うものの、やはり口には出せない。ヒル魔は周りの反応を、セナの反応も見ているのだ。うっかり言った一言がとんで もないことに繋がりかねない。
確かにセナは周りと同じく「似合ってない」と思っている。
思ってはいる、が。時間経つに連れて、少しずつ、ほんの少しずつ認識が変わってきた。
さっきまで「うわー…。」と引き気味で見ていたヒル魔を見れなくなった。主にブレザーから下を。
見たくないのではなく、見れない。
ヒル魔の足は太ももと太もも、膝と膝、ふくらはぎとふくらはぎ、ついているいるところはくっついていて、隙間が出来てる ところは出来ている。
恐ろしくバランスの良い足をしている。とくにプリーツ下から太ももと太ももで閉じられるまでの隙間は直視出来ない。 見て しまったら、大変な、取り返しのつかないことになってしまいそうでセナはずっと視線を下に向けないようにしていた。
しかし、視線は止められるが意識は止められない。上を見ようとしているのに、何故かどうしても視界の端に入り込んでし まう。セナはこれ以上ここにいるのは危険だと判断して、大人しくグラウンドへ向かうことにした。
向かう途中、振り返るとヒル魔とまもりは何事かを話していてセナの方を向いていなかった。もうすぐ鈴音も戻ってくる。 そうしたらきっと着替えてパフォーマンスの手伝いに来てくれるのだろう。何となくもったいない気がして、最後の見納め としてそのままこっそりとヒル魔の姿を眺めた。
遠目ということもあって、先ほどのように上半身しか見れないということはなくしっかりと足の先まで。
距離がある分、懸念していたような動揺をすることはなかったが、初めの印象と違って「似合わない」と思わない自分が不思 議で仕方なかった。
完全に女装のその姿を「可愛い」などという言葉が頭を掠めるのはきっと見慣れたせいであって、あの完璧な曲線や、わずか に赤みの差した膝や何よりもヒル魔だから、ということではないのだと、そう自分を説得しつつも髪も下ろしてくれればいい のに、と思いながらグラウンドへと向かった。

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ぬぁぁぁあんと!せめてあと3年のdinusiさまより、JK(JOSHI KOSEI)祭りに頂きました!ブラボー!!
ヒル魔さんそのスカートの短さは反則です!あと胸ボタン外しすぎです!
そうですよね、脚線美はやはりヒル魔さんの最大の魅力の一つですよね!
大腿四頭筋&下腿三等筋の行に猛烈に反応してしまった私は変態ですか?そうですか。
ヒルマさんの身体って、何処もかしこも、女性っぽくは無いのに無駄に(笑)エロいですよね。
dinusiさま、素敵JK作品、本当にありがとうございますっ!!