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君が刃だと信じているそれは決して武器などではなく尽きることのないあたたかな泉なのだと (trial)
2011.10.17 uploaded
 ソファに並んで座る実兄と義兄(と呼んでも良いものか今でも雄倶南は迷う)は、先程まで録画した今季のスーパーボウルを見ていた。
 真冬のこの時期、自身らもシーズンを終えやって来た暫しの休暇に、いつも集中力を研ぎ澄ませている義兄も力を抜いたようだ。今は実兄の持ってきた毛布に包まり、静かな寝息を立てている。
 まるで時が止まったかのようにじっと義兄の寝顔を見つめる実兄。一見深刻そうに見えるが、あれは絶対、「毛布の代わりに俺が蛭魔を包み込みたい」とか思っている表情だ。けれど、彼は蛭魔の寝息ひとつすら壊すことが出来ず、こうして飼い主のヨシを待つ犬のような顔をするのだ。
 いつまでやってんだ、焦れったいにもほどがある、雄倶南は寝ている義兄を起こさぬよう(何せ常人とは思えぬほど彼の感覚は鋭敏なので)リビングに入ろうと薄く扉を開いた手を中途半端に止めたまま、音を立てず溜息を吐いた。
 一度試合ともなれば無敵の帝王と悪魔の策士へと豹変する彼らの、それは臆病な恋だった――。










ヤマヒル義兄弟パラレル(大和の実弟視点)。
毎度毎度オリキャラにも程がある…。
続きは本で!
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