目が覚めても、まだ夢を見ているのだと思った。
夢を見るとき、それは現実に即したものであることも多いが、全く想像も及ばない、現実離れしたものであることも往々にしてあった。そしていつも、夢の世界の中にしかと存在し行動している自分もいる一方で、『あぁこれは夢なのだ』とその現象を俯瞰で冷静に捉えている自分も存在する。夢とはそういうものだと認識している。
おそらく自分は未だ眠りから醒めず、これは自分の奥底で蓋をされた願望が、夢という形を取って表れているだけなのだ、と。尤も、このような願望を――それが知覚出来ないほどの深くだとしても、そして例えほんの僅かなものであったとしても――持っているということ自体そう易々と受け入れられることではなかったが。
何故なら自分は、いくら美人であろうが、男と、しかも自分よりも遥かに年上の男と、同じベッドで抱き合ったまま朝を迎えたいなどとは欠片も思ったことがない。性趣向はストレート、ヘテロセクシャル、表現は何でもいいが詰まる所異性にしか向かない。正直言って心外だ。
だから疑いもしなかった。
この暖かさも、手に馴染む陶器のような肌の感触も、目蓋を閉じていても分かる過ぎるほどに繊細な顔も、それを覆い隠すように垂れる柔らかな金の髪も、そこから伸びた伝説上の生物エルフのように尖った耳も、薄く色付いた唇から吐き出される単調で穏やかな寝息も、全て夢に違いないのだと。
目の前の凄艶な男が、瞳を開けるまでは。
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ネタが全て!な話なので、ここまでしか見せられないんです〜ごめんなさい。
エロはちびっとだけ。続きは本で!